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2017年08月11日

移住入門

移住入門 第18回

北の岡山は「晴れの国」と称され、南の香川は水不足が問題になるなど降水量が少ない、その中間に位置する小豆島も同じ瀬戸内海式気候。
基本的に雨が少ないというのは嬉しいことなのですが、ずっと続くとなると
農作物等に影響が出るので困ってしまいます。
適度に降ってくれたらいいのになあと思うのですが、今回やってきた雨は
強力な勢力を持つ台風5号です。
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小豆島に来て初めての台風を経験しました。
山も海も近いこの場所は、波が高く上がり背後にそびえる山の様子に気を配りつつ、
若干の緊張をもって迎える台風です。
小豆島に台風が最接近したのは月曜日の昼頃ではありますが、
その影響は前夜からありました。
帰省客を含め大勢のお客さんで盛り上がる予定だった、町のお祭りも中止となり、
島の湾内には、台風から避難するため航海中の多くの船達が集まっていました。

迎えた月曜日は前日からアナウンスがあったように、小豆島を発着する
すべての船便が運休となり、それに伴って多くの施設や飲食店が休業となりました。
私自身もその日は仕事が休みとなって1日中部屋で過ごしては、
台風が過ぎ去るのを待つばかりでした。

台風自体は、いつもの雨より一段と強いものの、災害に繋がるようなことがなく
無事に過ごすことが出来ました。

夕方には暴風域を抜け出して雨風共に弱まってきたので、スーパーへ買い出しに
出かけたのですが、パンや卵などを中心とした一部商品が品切れとなっていました。
もちろん、船便が欠航した影響です。
交通が遮断され孤立した島となったわけではありますが、
ただそれも今日一日ということもあり、他の商品は全体的に少なめではあるものの、
不自由さを感じるものではありません。
内海に浮かぶ小豆島でも、これが続くとなると困りますが。
天候も落ち着き、雲の切れ目から現れた向こう側の高松の高層ビルが見えてくると
ちょっとした安心感に包まれます。

一つ。そして、また一つ島での経験が増えました。
これから迎えるどんなことにも立ち向かっていきたいです。

つづく。

2017年08月06日

離島入門

離島入門 第21回 食材探しの旅 利尻島 13【更新終了しました。これまでご覧いただきありがとうございました】

利尻島 3 日目。その日私は島の甘味を食べ歩いていただけではありません。

もう一つ、大事な大事な食材ストーリーがありました。

利尻島には二つの町があります。
今日は滞在していた利尻町のお隣、利尻富士町の食材探しの日。
「利尻富士」というのは島の中央にそびえる利尻山の別名で、
「今日は利尻富士がきれいに見えた〜」などというのが島の人々の挨拶になっていて、
いかにこの山が島の人にとって特別な存在かというのを知らされます。

もう一つこのシーズンの島の人にとって特別な存在、それはウニです。

私が訪れた6月はウニ漁がちょうど解禁になるころで、人々の話題も、
今年はウニがどれくらいの量獲れているかとか、どれくらいの値段がついたとかといった内容なのが利尻らしい。その日の朝は、今日初めてバフンウニが鬼脇(おにわき)港で揚がった、と島内で噂になっているのを耳にしました。

まずは漁業協同組合へ。漁協が島にあれば離島キッチンスタッフは必ず訪れます。
その島で取れる海産物の情報を仕入れる絶好のチャンスがそこには眠っています。

訪れた6月はまさにウニ漁のシーズン。ウニ漁は漁協によって管理されており、
早朝に島内のアナウンスでその日は何漁が可能か知らされます。
何でも個人の自由で獲ってよいわけではないんだな、と自身の無知を少し恥じましたが、こういった島で当たり前の仕組みを島外の私たちは知らないことが多いです。

利尻漁協を訪れると朝早くに上がったウニの殻をむき、選別しているところでした。
ウニ

私にとって、この光景は島らしさが溢れていて利尻カレンダーを作ったら
6月はウニ漁のシーンだなあ、とぼんやり考えていました。

詳しい海産物のお話を聞くべく、対応してくださったのは漁協の入井さん。

この頃になると、どこそこ構わずノートを開く姿勢がついていて、リュックを背負い、
ノート片手に入井さんに質問を投げかけまくる私の姿は小学生の社会科見学さながらだったことでしょう。

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利尻でとれるウニには 2 種類。

キタムラサキウニ…島の言葉ではノナ。
薄い色で比較的あっさりとした身。ウニの殻の棘が長い。
エゾバフンウニ…利尻で「ウニ」といえばこちら。
前者と比べると高値がつき、オレンジ色の身と濃厚な味わいが特徴。

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しっかりメモをとり、満足し時計を見ると、ちょうどお昼時にさしかかっていました。
一番最後に挿入

写真 文
辻原 真由紀

2017年08月06日

行商日記

行商日記 第36回

売れたり、売れなかったり。
あっちへ行ったり、こっちへ行ったり。

根無し草のような行商販売も傍目には気楽なように思えますが、
実際にやってみると現実的な苦労が絶えません。

安定した販売場所がない移動販売は、売る場所を探すのがとにかく大変。
イベントを探しては主催者に連絡をして、書類のやりとりをして、
さらには保健所の許可をとってと準備だけに2~3日はかかります。

イベントを探す→書類のやりとりをする→販売をする→イベントを探す···。
この無限ループから脱却するには、何かアクションを起こさねばと思っていた矢先。

お世話になっている島根県庁のJさんが、「佐藤くん、お店やってみない?」と
面白そうなご提案をしてくださいました。

とはいえ、常設店舗ではなく「期間限定」でのお店とのこと。
条件は下記のようなものでした。

場所:西荻窪から徒歩2分
客席:カウンター6席と4名テーブル1席の合計10席
期間:4月中旬の1週間
家賃:10万円/週

客単価とか回転率とか、今となってはそれっぽい専門用語を語りそうなものですが、
当時のぼくが知っている単語は「売上」と「仕入」のみ。

家賃が高いのか安いのかの判断もまったくできませんでした。
さらには、損益計算書であったり、原価率であったり、販売管理費であったり。

店舗運営に必要な知識はまったくのゼロで、
ただ阿呆のように「わーい、お店やりたい」と思っただけでした。

さて。阿呆なりに準備を進めるも、どうやら1週間だけの期間限定とはいえ、
お店をオープンするには、盆と正月が一気にやってくるほどに大変という事実に気づき始めます。

「何から手をつければ良いんだろう?」

途方に暮れながら、オープンまであと3日と迫っていました。

文 佐藤 喬

2017年08月06日

移住入門

移住入門 第17回

毎年思うことなのですが、今年は去年より一段と熱くなっているような気がします。
電車や駅ビル、校舎などの屋内で一日の大半を過ごしていた去年と比べたら、
今の生活は外にいる時間が断然多く、天気予報を隈なくチェックする日々です。

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毎日のように見る海は、日常と化して島に移住したことも忘れてしまうのですが、
観光客が乗る県外ナンバーを見ると、
「ここは瀬戸内海に浮かぶ島なんだ」と改めて島に住んでいることを実感します。
そんな小豆島での生活ですが夏休みにも入り、連日多くの海水浴客で賑わっています。

島内には海の家が何軒も立ち並ぶ大きな海水浴場から、こじんまりした雰囲気でプライベートビーチ感が満載な海水浴場まで島の至る所にあります。
また、海もこれ以上青くなるのかと思わせるくらいの、青さの頂点を迎えており、
梅雨も明け暑さも増して、絶好の海水浴日和が続いています。

海では浮き輪や泳いで遊ぶ人も多くいますが、マリンスポーツも充実しており
シーカヤックやウエイクボードなどで遊ぶこともできます。
特に最近ブームとなっているのが、SUP(スタンドアップパドルサーフィン)。
サーフボードより大きいボードの上に立ち、パドルで漕いで遊ぶマリンスポーツです。
水面と同じ高さで移動しパドリングを習得すれば、360°自由に動き見渡すことが出来るSUPは、そこから見る日の出や夕陽は格物なものだそうです。
私自身、まだSUPは未経験ですが近いうちにやる予定なので、
その際は感動をみなさんにお届けできたらと思います。

日本の多くの海水浴場では地平線が見えるのでしょうが、ここは内海に浮かぶ島。
海を挟んだ向こう側に陸地が見えるその景色は、私にとっては不思議な感覚。
たまに、実は向こう側とつながっている場所があって、
ここは島なのか陸地部なのかわからなくなる錯覚に陥ることも。
そんな島で迎える夏はこれからも様々な発見がありそうです。

つづく。

2017年08月06日

献立紹介

【北の海鮮前菜五種盛り合わせ】北海道・奥尻島

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奥尻島の新鮮な海産物を素材そのままの風味豊かな味や本来の旨味がぎゅっと込められた調理法など、色々と味わっていただけるよう、五種盛り合わせでご提供します。

文 佐藤 友洋 
写真 幸 秀和

2017年08月06日

献立紹介

【うにの握り寿司】北海道・奥尻島

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毎年七月中旬からお盆に入る前の約1ヶ月の短い期間でしか味わうことのできない奥尻の生うに。非常に甘みが強く、濃厚な旨味が特徴です。
是非ともこの貴重な機会に味わってください。

文 佐藤 友洋 
写真 幸 秀和

2017年08月06日

献立紹介

【島のデザート二種(ボラ・水まんじゅう)】北海道・奥尻島

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このパフェは南西沖地震の後に復興を手伝ってくれた人たちへのお礼としてふるまわれたので「ボランティア」を略して「ボラ」と呼ばれるようになりました。
コーヒーゼリー・プリン・アイスクリームの合わさる様が、協力しあう人々をイメージしています。今回は、奥尻島の水を使った水まんじゅうを添えました。

文 佐藤 友洋 
写真 幸 秀和