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2017年02月18日

離島入門

離島入門 第15回 食材探しの旅 利尻島7

店舗満席。厨房大忙し。
突然置かれた状況に戸惑いながら、私は己に語りかけました。
大丈夫、大丈夫。

店のメイン商品、「焼き醤油ラーメン」
利尻昆布を贅沢に使った濃厚な出汁で、具材とスープを提供前に焼くラーメン。
だから焼き醤油。
具材はチャーシューに海苔にネギちょっと多め。食いしん坊の事前情報はバッチリだ。しかも、離島キッチンで毎日ホールの仕事はやっているし。

臆病な私に、必死な私が脳内で語りかけている。大丈夫。
周りにあったメモ帳とペンを持ち、取り敢えずお客さんのもとに向かう。

一歩踏み出してしまえば、その後はどんぶりを持って行ったり、ビールを注いだり、麺にネギを盛ったり、もやしを冷蔵庫からだしてきたり、食器を洗ったり。初日なのに遠慮なく、色々仕事を任せてもらえるのがありがたい。
どんぶりの熱くない持ち方やきれいなネギの盛り方、やりながら教えていただく様子はまさによく民間企業でも聞く OJT そのもの。あっという間にお昼の営業時間が終わりました。他のスタッフさんが「ありがとねえ~」と声をかけてくれます。

離島キッチンではお店に立つようになって約半年になろうかという頃だったので、
その経験を活かして遠く離れた利尻島でもお手伝いができたことは、少しだけ自信になりました。

その日の夜は、お宅の夕食を味楽さんのご家族と一緒に。

「昆布で出汁をとるのが面倒だと思ったことはないねえ」おかあさんが調理する傍ら、
レシピや島の郷土料理の話を聞きながらノートにペンを走らせます。出汁をとる、という行為ひとつとっても、利尻昆布の名産地のこの島では、その意識が東京とはまるで違っています。島の家庭料理の話を聞くのは、いつもとても面白い。
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蒸うにのお吸い物、ソイのおさしみ、ホッケのかまぼこ、島魚のお寿司、カラッっと上がった何かのフライ。
贅沢な食事がならんで楽しい宴がはじまります。何気なく近くにあったフライを食べてみて、私はその中身を二度見する。ふんわりとした触感に噛みしめて感じられる旨味。

これは、なに?
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私の心の声が聞こえたのか、「たちかま、だよ。知らなかったか?利尻でよく食べてるやつ」と、おかあさん。「これは、島のどこで作ってるんですか?」と私。すると、おとうさんが、だまって、窓の外を指さしました。そこには、「米田商店」とかかれた看板。すぐ隣の建物でした。

【島のお店のご紹介】
・ 利尻らーめん味楽 ミシュランビブグルマングルメにも掲載されたお店です。 利尻昆布だしをふんだんに使ったらーめんが味わえます。
「利尻らーめん味楽」さんが、新横浜のラーメン博物館に2017年3月1 日から出店します!島ラーメンが都会でも堪能できます。
http://www.raumen.co.jp/shop/rishiri.html

写真 文
辻原 真由紀

 

2017年02月14日

離島入門

離島入門 第14回 食材探しの旅 利尻島6

初めての人に会う時や電話をする時、必要以上に緊張してしまう自分の癖は、
8か月前、初めて海士町に行った時からあんまり変わってないなあと思いました。

「いらっしゃい!こっちだよ!荷物持つよ!さ、上がって上がって!」
宿泊予定の味楽の玄関で、元気よく出迎えてくださったのは、お店のおかあさんの祐子さんです。

相棒の巨大スーツケースが一瞬で味楽さんのお家に受け入れられた安堵感と、分け隔てのないおかあさんの明るさに、これから自分の経験することに対するワクワクがすでに戻っていました。緊張からワクワクへ行くまでの時間が昔よりも短くなったのは、島旅に対する度胸が少しついてきたかもな~なんて安易な考えが脳裏をよぎります。

一通りお宅の中の設備について、泊まらせていただく2階にある部屋で説明を受け、おかあさんは、一枚のTシャツを私に手渡しました。お土産?と呑気に考えていると、
「さ!時間!」と、おかあさんは下の階を指さしました。 

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1階はお店になっています。気づいてみれば、お店がオープンしたばかりの時間でした。手渡されたのは、お店のユニフォームで、泊めていただくせめてものお礼に、とお店を手伝わせていただく約束をしていたのでした。

忙しい時間にお邪魔してしまった自分を反省しつつ、慌ててTシャツに着替え、
お店の厨房に出ていきます。

「やあ、いらっしゃい~」

おとうさんは、手際よくフライパン片手にスープと具材を炒めながら、顔を私の方に向けました。客席を見渡してみると、ほとんど満席。店内のスタッフさんは忙しそうに動き回っています。すいませ~ん、すいませ~ん、と何組かのお客さんが呼んでいる。

「じゃあ早速、あちらのお客さまの注文とりに言ってくれる?
 うちのメイン商品は『焼き醤油ラーメン』だからね」
店内の忙しさに反して、お父さんの口調はとても穏やかです。

ユニフォームに袖を通してから数分。突然迎えた局面です。
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写真 文
辻原 真由紀

2017年02月01日

献立紹介

【白子ポン酢】新潟県・粟島

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白子は、魚の雄の腹にある精巣のことを指し、細かいヒダが菊の花に見えるため
「菊子」とも呼ばれます。サッと湯引きした濃厚でクリーミーな白子は、サッパリとしたポン酢と相性抜群です。

文 有田 弥生
写真 幸 秀和

2017年02月01日

献立紹介

【タラの子の醤油漬け 大根おろし添え】新潟県・粟島

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タラの子は、真鱈の雌の腹にある卵巣のこと。
通常、タラコと呼ばれているのはスケソウダラの子です。この時期は、 腹に握りこぶし大の大きな卵の入った袋を一対持っています。醤油と旨味が染み込むプチプチとした食感は、ご飯のお供や酒の肴に最高の逸品です。

文 有田 弥生
写真 幸 秀和

2017年02月01日

献立紹介

【真鱈のフライ】新潟県・粟島

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島のお母さん方イチオシの食べ方。真鱈の切り身に塩コショウをして衣を付けたシンプルな一品です。新鮮な真鱈は、その名の通り雪の様に白く、キメの細かい身が特徴的。

文 有田 弥生
写真 幸 秀和

2017年02月01日

献立紹介

【一人娘の枝豆】新潟県・粟島

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粟島の潮風と湧き水、人の手によって大事に大事に育てられた、
粟島在来種大豆「一人娘」を使用しています。通常の枝豆は夏に収穫されますが
「一人娘」は超晩成品種。枝豆は十月に、大豆は十二月に収穫されます。
小ぶりですが味の濃い、旨味がたっ ぷり詰まった豆をビールと共にお楽しみください。

文 有田 弥生
写真 幸 秀和

2017年02月01日

献立紹介

【キウイジャムのパンナコッタ】新潟県・粟島

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粟島で栽培され、手作りのキウイジャムは大きい果肉がゴロゴロと入っており、
やさしい甘酸っぱさが広がります。自家製の濃厚なパンナコッタと合わせてお召し上がりください。

文 有田 弥生
写真 幸 秀和

2017年02月01日

お知らせ

【営業時間のお知らせ】

「神楽坂店」
2月1日(水)18:00〜22:00(L.O.21:00)
棚卸し作業のため、ディナータイムからの営業となります。

「福岡店」
2月1、2日 18:00〜23:00(L.O.22:00)
棚卸し作業のため、ディナータイムからの営業となります。

2月6〜8日 臨時休業
社員研修のため、臨時休業となります。

2月21日 18:00〜23:00(L.O.22:00)
店内改装工事のため、ディナータイムからの営業となります。

ご来店を予定されていた皆様には
ご迷惑をおかけいたしますが、
宜しくお願い致します。

2017年01月31日

離島入門

離島入門 第13回 食材探しの旅 利尻島5

 

利尻滞在2日目。私は宿泊予定のラーメン屋さんに向かいながら、ここへ向かういきさつを思い出していました.。

……

「辻原さん、利尻島にミシュランガイドに載ったラーメン屋さんがあるんですよ。」
「え?」 

とある日の午後、洗った食器を拭きながら、アルバイトスタッフのはまちゃんが放った一言に、私は食い気味で聞き返す。 

大学時代、利尻島でインターンをしたことがあるはまちゃんは、そのラーメン屋さんに泊めてもらったそう。噂によると利尻らしく昆布だしを使ったラーメンらしい。そんな彼女の一言が頭の片隅にあったのも、利尻を行き先として選んだ理由のひとつでした。
焼き醤油らーめん 

店の名は味楽(みらく)。
お父さんとお母さん、ご夫婦2人で力を合わせやっているお店です。 

利尻行きを決めた私は、そんなラーメン屋さんの話を思い出し、 
すぐさま味楽さんのご夫婦を紹介して!と、はまちゃんにお願いをして、利尻滞在中に宿泊させていただけないか電話してみることにしました。

東京にいる、しかも知らない人間から電話、泊めて欲しいという突然のお願い。今考えれば、何とも非常識なお願いの仕方にも関わらず、電話に出た味楽のおとうさんは、

「うんうん、わかった~いいよ~」と快諾して下さったのでした。

どんなにお店が忙しくてもその素振りを見せず、穏やかでいるおとうさんの人柄そのものです。

利尻行きに宿探し。東京での準備が、あまりにトントン拍子に話が進み、「私、こんなにラッキーで運使い果たして無いかな?」と、すぐ不安になり、「でも、まあいっか!」と 楽しみが勝って楽観的になってしまうのが私の性格。 


…… 

相棒の巨大なスーツケースを島中ゴロゴロゴロと転がしながら、島の人たちが奇妙がって私の大荷物に向けてくる視線に気づきながら、そんなこんなでラーメン味楽さんの玄関にたどり着きました。
味楽玄関
ここでは、どんな人との出会い、体験が待ってるんだろう。 
巨大スーツケースを引いた変な人、が第一印象だったらどうしよう。
「人の印象は見た目が9割」って何かで読んだな。動悸がしてきます。 

島の人たちはお宅を訪ねるとき、インターホンなどは押しません。ご近所さんが、こんにちはー!と勢いよくガラっとドアを開けて入ってくる、島でよく見る光景を思い出す。 

勢いよく、元気よく。まるで島の人みたいにさりげなく。怪しくなく。
私は味楽さんのお宅の引き戸を勢いよくガラッとあけました。

「こんにちは」 

戸を開ける勢いとは裏腹に、 挨拶の最後の「は」を言う私の声は震えていたかもしれません。

写真 文
辻原 真由紀 

2017年01月25日

献立紹介

【べっこう丼】東京都・伊豆大島

伊豆大島_べっこう丼
温暖な大島で魚を長期間保存できるように考え出された郷土料理。
島で採れた青唐辛子入りの醤油に漬けた旬の魚の身が、照り輝くべっこう色になるためそう呼ばれます。青唐辛子を使うのは、わさびが手に入りにくかった時代の名残です。
魚は伊豆大島のメダイを使用しています。

文 辻原 真由紀
写真 幸 秀和