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2015年12月09日

離島入門

離島入門 第1回【「ありがとう、とっても美味しかった」】

2015年12月1日、離島キッチンのユニフォームに袖を通しました、
離島キッチンの辻原です。
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私は、新しいことを始めることが好きです。
その日も、味わったことのない発見が常にあり、刺激をもらうことができるからです。

その日、ピリっとした寒い朝の空気の中、私は神楽坂の駅に降り立ちました。
離島キッチン神楽坂店は、駅から歩いて2、3分ほどのところにあります。
道の途中にある赤城神社の前を通り、これから起こることについて、
どうか見守っていてください、と願いつつ、
ワクワクと緊張の混じった気分でお店のドアを開いたのでした。

「おはよう」
と、まるでいつも顔を合わせる人同士のようなスタッフからの挨拶。
一軒家を改装した建物の中には、
居心地の良い我が家に戻ったときのような温かさがあり、
島にいるような、ゆったりとした時間が流れていました。

これは、離島キッチンにいらしたお客さまが、お店に入ったとき味わう感覚なのかな、と思います。

私は、金融機関に新卒から勤めていました。
働き始めて3年半も経ったころ、何となくホームページを眺めていた時、
離島キッチンの存在を知り、スタッフの募集広告に出会いました。
もともと旅が好きで、旅先で最も気に入った場所の一つがとある離島であり、
そこでの美味しいご飯や美しい風景がずっと忘れられずにいました。
島に関わる仕事がしてみたい、と思い切って離島キッチンへの扉を開くことにしたのです。

ところで、離島キッチンの運営を行っているところをご存知ですか?
島根県隠岐諸島にある海士町観光協会です。

「かいしちょう?」

いいえ。「あまちょう」と読みます。
海士町についてはまた改めて詳しく紹介したいと思います。

海士町の読み方も知らなかった私ですが、初日はあっという間に過ぎ去りました。
お店に行ってごはんをいただくことは今までたくさんの機会ありましたが、
裏ではこんな動きをしているのか、と学ぶことがたくさんあります。
特にオーダーをとる時はハンディ
(飲食店でオーダーをとるときに使う注文を入力する機械のこと)
に表示されている数あるメニューの中から
お客さまがご注文のものを素早く探して押さなければなりません。
「海士町イカの子酢味噌和えと、淡路島のタコの唐揚げと、五島列島のキビナゴと~」
私がハンディの操作に手間取っている様子を見て、
お客さまそれに合わせてゆっくりオーダーしてくださいました。
ご来店されるお客さまの温かさに救われる毎日です。ありがとうございます!
そのほか、予約の確認とお席の準備、料理の提供、ドリンクの作成など…
まだまだ学ぶべきことがたくさんあります。

お客さまがお帰りの際、
「ありがとう、とっても美味しかった」
と、嬉しいお言葉をかけてくださいました。
様々なお声を間近で聞くことができるところが、飲食店の良いところだと感じます。

飲食業界での仕事は未経験、行ったことのある離島もまだわずかで、
「思い切ったね~。ちゃんとやっていけるの?大丈夫なの?」
と、周囲に心配されがちな私ですが、
こちらのブログ「離島入門」で、離島初心者・飲食業界初心者として、
「いつも楽しく!」をモットーに、
離島キッチンの様々な情報を皆さまと共有していきたいと思います。
これからもどうぞよろしくお願いします。

文 辻原 真由紀
写真 幸 秀和