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2017年03月01日

離島入門

離島入門 第16回 食材探しの旅 利尻島8

島へ食材を探しに行く際、時間は限られているので、事前にある程度の食材の情報は調べておきます。ただ、現地に行かないと出会えない情報も沢山あります。
利尻島での「たちかま」との出会いは、まさに現地で見つけたお宝でした。
食材探しの醍醐味です。

た ち か ま、と明日のスケジュール欄に、もはや予定ではなく食べ物の名前を大々的にメモをし、 明日お隣の米田商店へお邪魔して、早速仕入れの相談をしてみよう!と、
今晩食べたたちかま料理の数々の味を思い出し、にやにやしながら眠りにつきました。
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翌朝、味楽さんのお宅のリビングに降りていくと、1 人の見知らぬ男性がソファに座っていました。

「!!」

家に突然見知らぬ人がいる、東京では考えられない光景も島ではよくあること。
なんだあ、来てたの、と、私の後ろからリビングに来た味楽のおかあさんが当たり前のように男性に話しかける。

「あ、この人、隣の米田商店の社長さんよ。ちょうどよかった、たちかまの話し聞いてみたら。」

 
ちょっと無口で厳しそうな見た目と裏腹に、
社長さんは沢山のことを教えてくださいました。

魚の美味しい焼き方、うにの美味しい食べ方、郷土料理のレシピなど。
島では郷土料理を教えてもらえてもレシピは口伝が殆ど。味付けも長年の知恵と経験から島の方々の身に染み付いてるものなので、大さじ何杯、とか、煮込み何分、などと数値にしてレシピを教えてもらえることは先ずありません。ただ、米田の社長さんは、そのレシピを数値で的確に把握している方でした。

神楽坂のお店でたちかまを使わせていただきたい旨をお話して、 食べた人たちが気に入ってくれますように、と祈りながら神楽坂に購入した試食分のたちかまを、我が子を旅に出す気持ちで箱に詰め送りました。

はじめてのおつかいならぬ、はじめての食材探しはようやく動き出したのでした。

写真 文
辻原 真由紀