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2017年08月06日

行商日記

行商日記 第36回

売れたり、売れなかったり。
あっちへ行ったり、こっちへ行ったり。

根無し草のような行商販売も傍目には気楽なように思えますが、
実際にやってみると現実的な苦労が絶えません。

安定した販売場所がない移動販売は、売る場所を探すのがとにかく大変。
イベントを探しては主催者に連絡をして、書類のやりとりをして、
さらには保健所の許可をとってと準備だけに2~3日はかかります。

イベントを探す→書類のやりとりをする→販売をする→イベントを探す···。
この無限ループから脱却するには、何かアクションを起こさねばと思っていた矢先。

お世話になっている島根県庁のJさんが、「佐藤くん、お店やってみない?」と
面白そうなご提案をしてくださいました。

とはいえ、常設店舗ではなく「期間限定」でのお店とのこと。
条件は下記のようなものでした。

場所:西荻窪から徒歩2分
客席:カウンター6席と4名テーブル1席の合計10席
期間:4月中旬の1週間
家賃:10万円/週

客単価とか回転率とか、今となってはそれっぽい専門用語を語りそうなものですが、
当時のぼくが知っている単語は「売上」と「仕入」のみ。

家賃が高いのか安いのかの判断もまったくできませんでした。
さらには、損益計算書であったり、原価率であったり、販売管理費であったり。

店舗運営に必要な知識はまったくのゼロで、
ただ阿呆のように「わーい、お店やりたい」と思っただけでした。

さて。阿呆なりに準備を進めるも、どうやら1週間だけの期間限定とはいえ、
お店をオープンするには、盆と正月が一気にやってくるほどに大変という事実に気づき始めます。

「何から手をつければ良いんだろう?」

途方に暮れながら、オープンまであと3日と迫っていました。

文 佐藤 喬