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2016年07月02日

行商日記

行商日記 第19回

脳内天気図に曇りマークが点灯した翌日、ぼくは山手線のホームへと向かいました。
企画をつくる時の癖として、ぼくは山手線に乗って一駅ずつ降りる習性があります。

一駅ずつ降りてブラブラすると、まったく性格の異なる友人と順番に話をしているような心持ちになり、何かしら新しい発見があったり、自分の知らない世界に出会えたりするためです。

そういえば、ぼくがまだ小さな子供で秋田に住んでいた頃、
汽車(秋田では電車ではなく汽車と呼んでいました)で背中に大きな籠を背負って、
山菜を行商しているおばあちゃんに出会ったことがありました。

ふと、そんな記憶を思い出しながら、ぼくは「上野駅」で降りました。
アメ横を散歩していると、スルメやマグロの柵やお菓子や海藻を売るお店がたくさん並び、なんともいえない東南アジア的な香りが漂ってきます。また、寅さんに似た風貌のおじさんが台の上に立ち、「閉店セール、80%引き」とブランドものか偽ブランドか分からないバックを手にして、しゃがれた声を張り上げていました。

アメ横から上野公園、不忍池、寛永寺や国立科学博物館のあたりをぐるぐる巡り、
何かアイデアのかけらが落っこちていないか、目をキョロキョロさせながら歩き回りました。

そして、ぼくは西郷隆盛の銅像の前で立ち止まり、何気なく銅像を見上げます。

一緒に散歩している犬の方が西郷さんよりかっこいい顔をしているなと思った瞬間、
何かしら「電流」のようなものがぼくの身体に流れました。

その後、脳内天気図に雷マークと雨マークが激しく点灯し始めます。
何だろう?何を察知したんだろう?ぼくは必死に察知した「何か」を探り始めました。

「……なるほどね」

ぼくは、ようやくアイデアの尻尾をつかみ、その場でニヤニヤし始めました。
昼下がりに西郷さんと犬の銅像を見上げて、一人でニヤニヤする30代の男。
その時のぼくの姿は不審者の域を通り越して、誰もが気持ち悪がっていたに違いありません。

ちなみに、つかんだ尻尾の先には「列藩同盟」がありました。長州藩と薩摩藩が手を結んだように、日本中の離島同士が手を結ぶような情景が、明るい色彩とともに頭の中に現れはじめます。

ラブ&ピース。
ぼくは他人の迷惑を顧みず、一人、銅像の前でニヤニヤし続けていました。
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文 佐藤 喬
写真 幸 秀和

2016年07月01日

お知らせ

【アルバイトスタッフ募集のお知らせ】

一緒に働いて頂けるスタッフを募集してます。
業務は、ホール・キッチンの補助です。
実務時間:4時間程度(変動あり)、シフト制
     火〜日 10時30〜15時、18〜22時
時給:1,000円〜(交通費無し)

ご応募やお問い合せは
FBページへのメッセージやお電話でも大丈夫です。
どうぞ宜しくお願い致します。

住所: 東京都新宿区神楽坂6-23 神楽坂ガーデンB棟
TEL: 03-6265-0368

離島キッチン
小林 理恵子

2016年06月26日

お知らせ

臨時営業時間のお知らせ

6月30日 18:00〜22:00(L.O.21:00)
ランチ貸切イベントのため、ディナータイムからの営業となります。
7月1日 18:00〜22:00(L.O.21:00)
棚卸し作業のため、ディナータイムからの営業となります。

ご来店を予定されていた皆様には

ご迷惑をおかけいたしますが、
宜しくお願い致します。

2016年06月22日

行商日記

行商日記 第18回

人生最初の行商をフィーバーで終わらせたぼくは機嫌よく千葉の自宅に戻ります。
ちょうど二人目の子供が生まれる直前ということもあり、
ぼくは今後の行商の企画をじっくりと考える期間にあてたいと観光協会にお願いをして、海士町を離れることにしました。
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さて。

行商の企画に関して、頭の中はまったくの白紙状態。
面接の時にしゃべっていたプランもいったん記憶の外にはき出して、
心の中に沸き立つ「何か」が出現するのをじっと待つことにしました。

一週間が経過。さてさて。

小手先のテクニックみたいな微粒子状の企画がボウフラのように現れては消え、
ぼくは祈祷師が雨乞いをするかのような心持ちでしたが、一切雨の降る気配はなく。
頭の中は白紙の空で埋め尽くされ、雲ひとつないノーアイデア状態の脳内天気が続きます。

そんな折。

2009年5月29日に娘が誕生。しかも丑(うし)年。
肉年、御肉日生まれの、丑年とは黒毛和牛の女神の降臨かもしれない。
焼肉とビールで乾杯、おむつ買わなきゃ、粉ミルクはどこのメーカーにしよう?

てんやわんやで一ヶ月が経過。さてさてさて。

そうだ、一度原点に戻ろう。海士町の面接時に話題に出たキッチンカーをスタート地点に置き、そこから企画を膨らまそう。車体にさざえの殻をびっしりと貼り付け、磯の香りを都会にお届け。いや、ダメだ。そんな貝殻だらけの車なんか気味悪がられるだけだろう。それに道路にさざえの貝殻が落ちたら、忍者の撒菱(まきびし)みたいに他の車をパンクさせてしまうかもしれない。

あるいは海水の入った水槽を車に設置し、島の鮮魚をご家庭に直送。いや、そうすると釣った段階で水槽に入れなくてはいけないから、島と本土との往復になってしまう。車をフェリーに乗せるとしたら莫大な経費がかかるだろう。子供たちには走る水族館みたいなキャッチコピーで人気が出るかもしれない。でも、魚たちには相当なストレスがかかるだろうな。

さてさて、さてさて。

頭の中では空回りの企画が実を結ぶことなく生まれては消え、徒労に終わることが分かっていながらも、ぼくは終わりのない壁打ちテニスのような妄想をし続けます。そんなこんなで2ヶ月が過ぎた頃、突如として脳内天気図にアイデアの兆しである曇りマークが点灯しはじめました。

文 佐藤 喬
写真 幸 秀和

2016年06月22日

みんなの日誌

【福岡県・能古島より島の恵みが届きました】

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現在、福岡県に滞在中のスタッフから、能古島(のこのしま)の恵みが届きました。
全国の離島から集まる食材、お酒。夏に向けての新メニュー、ドリンクを開発中です。

写真 文
幸 秀和

2016年06月22日

みんなの日誌

【来月は北海道利尻島です】

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食材探しの島旅に行っているスタッフから写真が届きました!

「写っているのが、オタトマリ沼と利尻山でして、白い恋人のパッケージになった風景です。バフンウニの漁が初めてあがり、獲れたてのウニ丼を食べました。」

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いよいよ北の島が登場します。

写真 文 辻原 真由紀
編集 幸 秀和

2016年06月22日

物販紹介

【青ヶ島マグネット】東京都・青ヶ島

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日本一人口が少ない村で、住所がすべて無番地(番地がない)という東京都の青ヶ島村。焼酎(青酎)や塩づくりが有名な島で、二重式火山でできた世界でも珍しい地形を有しています。

文 佐藤 喬
写真 幸 秀和

2016年06月22日

物販紹介

【はれひめマーマレード】愛媛県・岩城島

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瀬戸内海を縦断するしまなみ海道の島々で栽培されている柑橘の新品種「はれひめ(みかん)」を丸ごと使用したマーマレードです。
パンケーキやヨーグルトと合わせて、はれひめのさわやかな香りと芳醇な味わいをお楽しみください。

文 菊地 真琴
写真 幸 秀和

2016年06月22日

物販紹介

【たまみマーマレード】愛媛県・岩城島

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青いレモンの島として有名な、瀬戸内海に浮かぶ岩城島。春の訪れと共に収穫される、みかんの新品種「たまみ」を丸ごと使用したマーマレードです。
ヨーグルトやパンケーキに。たまみの濃厚な味わいをお楽しみください。

文 菊地 真琴
写真 幸 秀和

2016年06月05日

行商日記

行商日記 第17回

ゴールデンウィーク期間中、境港で販売した岩がきの売上は総額100万円。
岩がきの匂いが身体中にしみつき、
気を抜くと境港の野良猫たちがすり寄ってくるほどでした。
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ぼくは疲弊した身体を労わろうと、島根県の玉造温泉に向かいます。
出雲国風土記に神の湯と称えられ、日本最古の温泉と言われる玉造温泉。
神聖なるこの地に、ぼくは身体に染みついた岩がきの匂いとともに降り立ちました。

浴衣姿の粋な若いカップル。
老後のひとときを過ごす素敵な夫婦。
そして、野良猫にまとわりつかれるぼく。

明らかに神聖な温泉地の風紀を乱しかねないぼくの存在は
野良猫には大人気でしたが、観光客の方々には不評だったに違いありません。

「絶対きれいになってやる」

昔、こんなフレーズのCMがありましたが、まさにぼくの心境もこんな感じでした。
今は岩がきの匂いで猫に大人気だけれども、温泉に入りさえすれば、
カランコロンと浴衣の似合う粋な人間に仲間入りできるはず。
そんな淡い期待を胸に、ぼくは明らかに場違いな高級旅館へと向かいました。

「あれ、お客様、岩がきをお持ちですか?」

そんな心の声が聞こえるフロントをそそくさと通りすぎ、
ぼくは脱衣所に向かいました。
まだ早い時間帯ということもあり、大浴場にいるのはぼく一人だけ。

頭から足のつま先まで丁寧に身体を洗いまくり、
ぼくはシャボンの妖精になった気分でした。
さらには大浴場でのご法度とも言える平泳ぎやクロールすら優雅に披露。

そして温泉から脱衣所にあがり、ぼくは鏡の前で耳かきをしました。
すると、耳の中でジャリという音がします。

なんだろうと思って見ると、耳の中から岩がきの貝殻の破片が出てきました。

「·······」

理由はよく分かりませんが、この時、ぼくは何故か感無量になり、涙を流してしまいました。耳から出てきた岩がきの破片に「お疲れさま」と言われたような気がしたのかもしれません。

ひとしきり泣いた後、
ぼくははじめて岩がきに「ありがとう」と心を伝えることができました。

文 佐藤 喬
写真 小林 理恵子