掲示板

2016年12月22日

物販紹介

【椿花びらジャム】東京都・伊豆大島

_igp2486伊豆大島在住の下田ご夫妻の手作りジャムです。
甘さ控えめで、椿の香りと風味が広がります。
紅茶に浮かべると花びらが広がり、鮮やかに。
見た目でも楽しんでいただける逸品。
パンなどにもオススメです。

写真 文
幸 秀和

2016年12月12日

行商日記

行商日記 第30回

ショップカードを配り終え、キッチンカーに戻ろうとしたその時、
想像もしなかった衝撃的な光景がぼくの目に飛び込んできました。

その光景とは「行列」でした。

離島キッチン号の窓口に、十数人ものお客さまが列をなしています。
ぼくは、慌てて走ってキッチンカーに戻り、お客さまからご注文をいただきました。

「鶏飯おふたつですね、ありがとうございます」とお金を受け取り、ご飯をよそおい、
具を乗せて、スープをかけて、お客さま一人一人に商品を渡していきます。

そして、行列が行列を呼び、瞬く間に30人以上の行列ができ始めました。

今までの販売では、自分の全人格を否定したくなるほどに売れない経験しか味わってこなかったため、この光景は夢なんじゃないかとぼくは何度も何度も自分の目を疑いました。また、大袈裟でもなんでもなく、生きとし生けるものすべてにありがとうと言いたいような、親密であたたかい「何か」が胸にジワーッと広がっていく素敵な体験をしました。

そして、ご飯をよそおいながら、ぼくはこぼれそうになる涙を必死にこらえていました。自分としても、まさか行列ができた時に涙が出るとは思ってもみませんでした。

ちなみに、中島みゆきに「化粧」という名曲があります。

その中に「流れるな涙、心でとまれ」というサビのフレーズがあり、
ぼくは鶏飯を作りながら、この曲のメロディーをずっと脳内リピートしていました。

でも、何も知らないお客さまから見たら、
「この店員さん、鼻をすすっているけれど花粉症かしら?」
と思っていたかもしれません。

そんな折、「佐藤さん」と呼びかける声がしました。
振り返ると一人の若い女性が胡麻の袋を手に持ちながら、笑顔で手を振っていました。

「胡麻?」

見たことのない女性が胡麻を手に話しかけてくる経験は今まで人生においてなかったので、ぼくは一体何が起こり始めているんだろう、と不思議の国に迷い込んだ気持ちになりました。

胡麻、胡麻、胡麻···。胡麻の謎はいくら考えても解けませんでした。
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文 佐藤 喬
写真 幸 秀和

2016年12月12日

離島入門

離島入門 第11回 食材探しの旅 利尻島4

たどり着いた先、「ムネのところ」とは、「TSUKI」という、利尻出身の店主のムネさんが営むお店でした。さまざまな商品を開発して夏場は漁業にも携わり精力的に活動をしておられます。バーカウンターとお座敷のおしゃれな空間です。
島の人同士は殆どが顔見知りなので、どこかお店に行くにしても、店の名前ではなく、「○○さんのところ」といういい方になるのも島らしいなあとしみじみ感じます。

「ムネ、『島のりのおにぎり』を一つ。この子が一個食うから。」

と利尻町の佐藤さんが注文してくれました。
運ばれてきたのはかなり大きなまん丸のおにぎり。周りにはびっしりと醤油で濡らした「のり」が巻いてある。この海苔は醤油にビタビタに浸すのがうまいんだよ、と教えてもらう。
でも、見た目からすると、普通のおにぎりでは?これが私に是非食べてもらいたい逸品?と少々訝しく思いながらも食べてみる。
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「!」

口の中に広がる香り、独特の風味。お醤油の水分と反応してますます風味が引き立つ気がするし、いつも食べている海苔とは明らかに違う感動。
聞いてみると、「島のり」とは、岩場に自生する海苔のことで、人の手で一枚一枚丁寧に剥がしてつくるそう。
「おにぎり」は日本人の馴染みの食だけれど、この劇的な出会いをまだ味わった人に是非味わってもらいたい。少し高価だと聞くけどお店で出したい。

早速良い収穫があったと、うきうき気分で終わった一日目。
翌朝、東京の神楽坂店へ連絡するついでに、素晴らしい「島のり」との出会いについて、電話に出た代表の佐藤さんに報告する。

「それってもしかして、『岩のり』のことじゃないかな。隠岐にもあって、本当に高価で島でもなかなか手に入らない貴重な食材なんだ。」

私にとって、メニューを企画し、価格設定をして提供をするというのは初めての経験でした。いくら良いと思ったものも、島内において希少で貴重だったり、鮮度と輸送の問題があったり。一つの食材の提供についても、多くのことを考慮しなければならないものなのだということを初めて肌で感じました。ただ、この食材を神楽坂でも出してみたい、という夢見る勇気だけはいつも持ち続けよう、と自分を励ましました。

現実を思い知り、島最初の衝撃の味を神楽坂に持ち帰ることは泣く泣く断念し、
私は次に泊めていただく約束をしていた「利尻らーめん味楽」さんのお宅に向けて出発しました。

【島のお店のご紹介】
利尻島 やきとり・もつ鍋・地酒のお店 月
http://tsukirishiri.wixsite.com/tsuki
利尻島にお立ちよりの際は是非どうぞ!

文 辻原 真由紀
写真 幸 秀和

2016年12月12日

献立紹介

【波浮天(はぶてん)の炙り】東京都・伊豆大島

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伊豆大島で水揚げされた鯖とサビ(クロシビカマス)のすり身に、山芋、明日葉を加えたさつま揚げ。製造している伊豆大島漁協加工部では、網にかかっても捨てられてしまう小さな鯖に注目し、日々商品開発に取り組んでいます。
波浮は伊豆大島の漁港の名前で、川端康成の文学作品「伊豆の踊子」にも登場します。

文 辻原 真由紀
写真 幸 秀和

2016年12月12日

献立紹介

【サビの唐揚げ】東京都・伊豆大島

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大島の人たちが好きな魚といえば、サビ。一般的にはクロシビカマスと呼ばれ、ギラギラと黒光りする見た目とは裏腹に、その身は白くとても上品です。お刺身や塩焼きなどで食される事が多く、11〜2月頃が旬です。
伊豆大島漁協加工部が化学調味料を使用せず、子供から大人まで安心して食べられるよう手作りで仕上げた逸品です。

文 辻原 真由紀
写真 幸 秀和

2016年12月12日

献立紹介

【伊豆大島温野菜の椿油添え(大島の塩付き)】東京都・伊豆大島

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約300万本の椿が自生し、その種から採れる椿油は古くから女性の艶やかな髪を守ると同時に、食用としても用いられてきました。手作業で実を干し、絞られた希少な椿油は香ばしいのが特徴。
太陽と風と火による、伝統的な製法で作られた大島の天然塩と一緒に大島野菜をお楽しみください。

文 辻原 真由紀
写真 幸 秀和

2016年12月12日

献立紹介

【大島牛乳のデザート(自家製)】東京都・伊豆大島

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かつては沢山の乳牛がいた伊豆大島。消費量の減少や度重なる三原山の噴火等により、大島の牛乳は店頭から姿を消しました。しかし、2008年、有志の人々が酪農の復活を目指して大島牛乳の再興を始め、今日に至ります。
75度で30分間ゆっくりと殺菌した牛乳は、本来の風味がよく感じられます。離島キッチンで手作りした自家製のデザートをお召し上がり下さい。

文 辻原 真由紀
写真 幸 秀和

2016年12月01日

お知らせ

【年末年始などの営業時間のお知らせ】

「ランチタイム貸切のため」
12月4日(日)18:00〜22:00(L.O.21:00)

「年末最終営業日」
12月27日(火)11:30〜14:00
         18:00〜22:00(L.O.21:00)
「年始営業日」
2017年1月4日(水)18:00〜22:00(L.O.21:00)

ご来店を予定されていた皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、
本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

2016年11月16日

行商日記

行商日記 第29回

外国製のキャンディーのようにカラフルな風船がイベント会場を彩っていました。
それまでは、溝口健二の雨月物語のような寂しい場所での販売だったので、
ぼくと離島キッチン号はこの華やかな会場になんとなく浮き足立っていました。

さて。

ぼくは今回の販売で新メニューを投入することにしました。
その名も鹿児島県奄美大島の「奄美鶏飯(けいはん)」。
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鶏飯とは、ご飯の上に、鶏肉やしいたけ、錦糸卵やパパイヤの漬物などをのせて
温かい鶏ガラスープをかけて食べる奄美大島の郷土料理です

そして、いよいよ販売がスタートします。
お客様の数は、今までの路地裏に比べて数百倍もいると思われ、
ぼくは会場の風船よりもパンパンの期待で胸がいっぱいでした。

が、しかし。

ぼくの甘い期待はあっさりと裏切られ、どうにもこうにも売れません。
お客さまはチラリとメニューPOPを見るも、
なかなか近寄ってくれない状況が続きます。

キッチンカーの中でお客さまを待ち続ける状態というのは、
誤解を恐れずに言うと、魚釣りをしている心境に近いものがあります。
海の中にたくさんの魚が泳いでいるのに、
なかなか釣り糸にかかってくれないもどかしさ。

昔、何かの本で、釣りは短気の人が向いているという文章を読んだことがありました
ぼくはそんなに短気ではありませんが、このままじっくりと日暮れまで売れない状況を
待ち続けるほど、気が長いわけではありませんでした。

よし、素手で掴みにいこう、とぼくは意を決します。
ぼくはキッチンカーを降り、
ショップカードを100枚持って群衆の中に飛び込んでいきました

「離島キッチンです、奄美大島の鶏飯を販売しています。よろしくお願いします!」

雑踏でのティッシュ配り以上のスピードで、
ぼくは一気に100枚のショップカードを会場のお客さまに配りまくりました。

配り終えた達成感を胸にキッチンカーに戻ろうとしたその時。
想像もしなかった衝撃的な光景がぼくの目に飛び込んできました。

文 佐藤 喬
写真 幸 秀和