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2015年12月23日

みんなの日誌

スルメイカ同盟

まだ大学生だった頃、勢いよく飲み過ぎて
記憶をなくしたことがある。

その翌朝、ぼくの枕元にいたのは可愛い女の子。
ではなく、食べかけのイカの丸焼きだった。

最後は何処で飲んでいたんだろう?
イカの丸焼きをどこで買ったのだろう?
どうやって自宅にたどり着いたんだろう?

様々な疑問が頭をよぎるも、最後まで解けなかった謎は、
「なぜ寝る前にイカを食べたのだろう?」という
泥酔中の自分の心理状態についてだった。
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ちなみに離島キッチンには「寒シマメ漬け丼」という名の
島根県隠岐郡海士町で獲れたスルメイカの漬け丼がある。

キッチンカー時代も含めて、何千杯、何万杯という漬け丼を販売したのですが、
そこで感じたのは、日本人はつくづくイカが好きなんだな、ということ。

塩辛、肝和え、漬け、お造り、一夜干し、ゴロ焼き、イカ大根、エトセトラ。

ぼくもイカは大好きですが、まさか自分がイカを
売る仕事に就くとは想像もしていませんでした。

そんな折、ふと感じるのは、ぼくとイカとの「関係」についてである。

もしかしたら、あの時枕元にいたのは
丸焼きの姿をしたイカの妖精だったのではないだろうか。

そして、少しかじりついていたのは、
ぼくとイカの妖精との同盟の証みたいなものだったのかもしれない。

まるでゲーテのファウストみたいなお話だけれど、
何となくイカとは深い因縁のようなものを感じてしまう今日この頃。

みなさん、イカがお過ごしですか?

文  佐藤 喬
写真  幸 秀和